化粧室=トイレ なぜ?

普段、私たちが何気なく使っている「トイレ」。
またの呼び方を「化粧室」というわけですが、なぜそう呼ぶのか、疑問に思ったことはないでしょうか?

ただただ用を足すだけなのに、「 “化粧” 室」です。

今回は、その由来に迫りたいと思います!

「化粧室」とは・・・

化粧室とは

まずは、「化粧室」という言葉の定義から。

トイレと同義で使っていることが多いと思いますが、そもそも「実は違うものを指していた!」となれば、話が変わってきますからね。

デジタル大辞泉から引用をしている『goo辞書』にはこうありました。

  • 化粧や身づくろいをするための部屋。
  • 洗面所。便所。

goo辞書

 

また、『Weblio類語辞典』の「日本語WordNet(類語)」欄には、化粧室の意義素として、

  • 一つ以上のトイレを備えている部屋または建築
  • 洗面所(特に公共の場の洗面所)
  • 衣服を着替えることができる部屋
  • 公共の建物の婦人用トイレ

Weblio類語辞典

とあったほか、「Weblioシソーラス」欄には、

  • 便所、けしょうしつ

Weblio類語辞典

とありました。

こう見てみると、単なる排尿・排便をする場所というよりは、個人のプライベートの用に供する場所というイメージがややあり、いわゆる「便所」たるトイレよりは、少し意味に幅があるような気がしますね。

でもまあ、少なくとも日本においては、同義と見て差し支えないように思います。

「化粧室」という言葉の由来

化粧室の由来

では、化粧室という言葉は、どのようにして生まれたのでしょうか?

それを紐解くには、フランス語のお話をしなければなりません。

フランス語から生まれた言葉!?

フランス語に「toilette」という言葉があります。トイレのことです。

「toilette」は、布を意味する「toile」(トワル) に、小さい様子を意味づける「-ette」という接尾辞がくっついた言葉です。
要するに、直訳すれば「小さい布」という意味。

ここで、京都産業大学教授・平塚徹氏(フランス語学)(2018年6月10日現在)のお話を引用しましょう。

(フランスでは)昔、化粧台の上に小さな布を敷いて、その上に化粧道具を並べたようです。そこで、この小さな布、つまり、「化粧台掛」のことを、toilette と言うようになったようです(1600頃)。そして、「化粧台掛」から、「化粧台」そのものを指すようになりました(17世紀)。

このフランス語の toilette という単語は、英語に入って toilet となったのですが、……アメリカでは、特に「入浴設備のある化粧室」を指すようになりました。

……欧米の個人住宅では、便器・浴槽・洗面台がよく一つの部屋にまとめてあります。

……toilet が「浴室」のことを指すようになりました。そして、ついには、「浴室」を指すこの toilet という単語を使って、遠回しに「便所」を指すようになったというわけです。

……日本では、特にデパート等で「化粧室」という言葉がトイレを指すのに使われています。もともとは、お客さんに不快感を起こさせないために、使われるようになったのでしょう。

※ 一部、私が加筆・省略

化粧室はどうしてトイレになったか?

掻い摘んで引用させていただきましたが、上記全文については、引用元「化粧室はどうしてトイレになったか?」をご覧いただければと思います!

補足 香水の種類に「eau de toilette」(オードトワレ)がありますが、上記のお話を基にすると、何となく違和感無く思えてきませんか?「toilette」は、実は、「トイレ」以外に「装い」「化粧」という意味もあります。「eau de toilette」とは、要は「身にまとう水」すなわち「香水」のことです。

「化粧室」は欧米からやってきた概念

上のお話からすれば、「化粧室」という言葉は、欧米からやってきた概念といえます。

ホテルの部屋の浴室のように、化粧をする場所と浴室と便器がひとつの空間にあったためです。
要は、その概念が日本にやって来て、いわゆるトイレ(特にデパートやホテルなどのトイレ)婉曲表現として使われるようになったと見ることができそうです。

実際、日本のトイレには鏡も手洗い場もあり、化粧ができるようになっています。
現に、女性の多くは、そこで化粧直しもすることでしょう。

ひょっとすると、女性にとっては、案外「化粧室」という言葉はすんなり受け入れやすいのかもしれませんね。
私は男なので、「化粧しないのに化粧室って変だなあ」って思ったことがあります。

トイレを意味するさまざまな言葉と、それらの違い

トイレを意味する言葉と違い

「化粧室」と「トイレ」の違いについては分かりました。

では、もっと細かく見て、「トイレ」と同義で使っている「便所」や「お手洗い」、「パウダールーム」…。
これらはどう違うのでしょうか?

ちょっくら調べてみました。

「トイレ」「便所」「お手洗い」の違い

「トイレ」は外来語ですが、「便所」とはまさにほぼ同義と捉えて差し支えない気がします。

ただ、同じものを指しているのに、イメージには違いがありますね。
「トイレ」には、欧米的なイメージ( “化粧” 室としてのイメージ)が多少なりともありますが、「便所」といえば、昔の厠(かわや)に近いイメージが私にはあります。

「お手洗い」といえば、真っ先に思い浮かぶは「手を洗う所」。

日本には神社が多いですが、神社には、手を清める「御手洗(みたらし)」「手水舎(ちょうずや)」という場所があります。
便所に入った後も手を洗い(清め)ますが、やがて「お手洗い」という言葉で便所を指すようになったそうです。

「お手洗い」という言葉は、日本語でありながら上品で、大変しっくりきますね。

「パウダールーム」「レストルーム」「ウォッシュルーム」の違い

いわゆるトイレのことを指す言葉には、実にさまざまなものがあります。
よく聞くものとしては、「パウダールーム」「レストルーム」「ウォッシュルーム」があります。

ざっと調べてみたところ、

  • パウダールーム:女性用化粧室。女性用洗面所。
  • レストルーム:休憩室。洗面所。アメリカでデパート等のトイレを指すことが多いらしい!
  • ウォッシュルーム:お手洗い。洗面所。カナダでトイレを指すことが多いらしい!

と捉えれば良いのかな?という気がします。
結局はどれも日本では「トイレ」と一括りできそうですが、微妙に異なるようですね。

ただ、国々・地域の文化なども関係してくるはずなので、もっと多様な意味があるかもしれません。

なお、欧米の個人住宅では、トイレを「バスルーム」と呼ぶそうです。
これは、先ほどの toilet 絡みのところに関係しています。

補足 toilet は便器そのもののイメージが強いらしいので、アメリカなどでは要注意。「Where’s the toilet?」は「便器はどこですか?」と尋ねるようなもの。デパート等で尋ねるときは、アメリカでは restroom 、カナダでは washroom を使いたいものですね。なお、ドイツでは toilet を使っても嫌な顔されませんでした・・・といいますか、ドイツ語で尋ねるなら「Wo ist die Toilette?」と言うので、英語の toilet も、相手は違和感が無かったのかもしれませんね。

「WC」ってのもあるけど・・・?

そういえば、トイレのことを「WC」ということもありますね。
私はたまに、「ちょっとWC行ってくる」って使います(相手は一瞬「今何て言った?」って顔しますけどねw)。

「WC」は、water closet の略です。

水洗式トイレのことですが、最近はあまり使わない言い方だそうです。
まあ、現代は水洗式であるのが普通ですから、当然といえば当然ですね。

 lavatory は?

これもトイレの意として使いますが、洗面台というニュアンスが強いようです。

保湿、日焼け止め、メイク、香水などはトイレで

化粧はトイレで

出先で、保湿ケアや、日焼け止めの塗り直し、メイク直し、香水つけ直しをしたくなる人は多いものです。
これらは化粧室たるトイレにて行うようにしましょう!

電車の中でメイクをしている人がいますが、パウダーが舞ったりニオイが漂ったりすることがあります。

私は、隣の女性がスプレーを使ったときに、鼻にかかり、むせかけたことがあります。
その女性は気付いていなさそうでした(気付けるような人であれば、あらかじめ自宅やトイレで身支度をするはずですね)

部活帰りの男子高校生とかも、たまに制汗スプレーを車内でシューッてやることがありますが、やはりトイレなどで行うのがマナーですね。

まとめ

今回は、「化粧室」とは何か、またその由来は何なのか、そしてトイレに関係する言葉について見ていきました。

最後に、今回の内容をまとめて終わりにしたいと思います。

  • 「化粧室」とは、いわゆるトイレのことで間違いはない!
  • 「化粧室」の由来をたどると、フランス語に行き着く!
  • 「化粧室」という言葉には、欧米的な概念が盛り込まれている!
  • 「化粧室」の同義語はたくさんあるが、イメージが異なる!
  • 出先でスキンケア、化粧直しなどをする際、積極的に化粧室(トイレ)を使おう!

今回の話に限らず、言葉の意味や由来を考えるのは大変有意義なことでしょう。

とはいえ、厳格な意味とかウンチクとかよりは、TPOが大切だと思います。
イメージや響きの良い言葉を選び、人間的に美しい印象となるよう、努めたいものですね♪

では、チュス!!